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2008.6.22

 

さて、北京オリンピックまでもうあとわずかとあって、テレビ番組も、代表選手の特集を組んだり、CMにも選手が顔を出したりして、オリンピックモードというか、随分と視聴者の関心に訴える画像が増えてますけど、でも、今度のオリンピックと言えば、レーザーレーサーでしょう。
言わずと知れた、"世界記録水着"です。
スポーツ方面には疎いウチのカミサンでさえ、「もちろん知ってるわよ」と言下に一言。
大抵なら、「レーザーレーサー? 何よそれ」と興味も示さないし、多少興味を持ったところで、レーザーラモンの親戚か、俳優の黒田アーサーが芸名変更したか、くらいにしか考えないんだけど、今回ばかりは大正解。


で、そのレーザーレーサー。売ってるんですね。選手専用か思ったら、一般人でも手に入るらしい。
そんなわけで、新しい物好きのワタシとしては、放っとけず、早速インターネット。
しっかし―
予約販売の上に、値段がヤッタラ高い。普通の水着が5、6着は楽に買えちゃう。

「アータ、そんなもん、注文する気じゃないでしょうね」
カミサンが怪訝な顔でパソコンの画面を覗きます。
「5秒前までは、その気だったんだけどね」
「アータがそんなもん履いたってダメよ。身の程知らずねえ」
ワタシだって、十分分かってます。レーザーレーサー履いて泳いでる最中、うっかり足でも釣って溺れたりしたら、えらいカッコ悪いですからね。
ただ、何と言っても、こりゃホンモンだぞ、の魅力がある。
これを着用した選手ほとんど全員が、タイムが良くなったわけですから。

 

"レーザー"でなくたって、それなりに工夫はされてて、説明文には、繊維の編み方で水流がどうのこうのだとか、水の抵抗が小さくなって筋肉がどうのこうのだとか、いかにも、「これを着用すれば、アナタもきっとタイムアップしますよ」的なことが書いて―いや、そこまではゼンゼン書いてないんだけど、ちょっとでもスマートに泳ぎたい人間には、困ったことに「水流」や「抵抗」の文字一つが、そんな具合になんとも魅力的に映っちゃうんですよ。

ワタシは、週一でしかブールに行かないけど、それでも一年も同じのを履いてると、それなりにボロ臭くなってきて、この前はそんな「水流」やら「抵抗」やらで、新しいのを買ったんだけど、はっきり言ってまったく泳ぎなんて変わんない。まあ、当たり前ですけどね、タイムがどうのこうの言う前に、プールの向こう岸に辿り付いて、ハイ満足、ってレベルなんだから。
でも、25メートル泳いだけで、「ダメ、変わんない」と分かっちゃうと、自分のレベルの低さを棚に上げて、こりゃ「水流」にダマされたワイ、と勝手な納得の仕方をする。

 

でも、そう思うのも、だって無理はないと思いませんか。
たとえば、ダイエット食品。
―これだけで、二週間に5キロ痩せる。
その手の文句に、思わず衝動買いして、案の定、後になって後悔した、なんて経験のある人はゴマンといるはずで、作り手というかメーカーの謳い文句なんて、所詮消費者に買ってもらうためのものですから、「二週間に5キロ痩せる」の後に、「かもしれない」とか「痩せる、場合もある」なんて言葉は、間違ってもいれない。たまに、テレビの通販で、「効果には個人差があります」という小さな文字が、申し訳程度に画面に載るくらいです。

 

ですから、水着も似たり寄ったりだと思ってた。
そうしたら、少なくとも、この"レーザー"に限ってはそうじゃない。
北島選手だけじゃなくて、他のAさんも、Bさんも、その他モロモロさんも、これを着るとみんな速くなる。日本新記録がポンポンと出る。で、こりゃホンモンだぞ、ってなるわけ。


そのホンモンの魅力がいいんですよ。企業コマーシャルでなく、みんなの前でちゃんと実証されたっていう、そういう魅力が。
べつに、何がなんでも速く泳ぎたいわけじゃない。ただ、興味があるんです、そういう"ホンモン"に。

そんなわけで、そのうち手に入れたいと思ってます。もうしばらく待って、一般にも"普及"し始めれば、少しは値も落ち着くでしょうし、泳ぎ下手が履いたって不自然でなくなるかも知れません。
それまでは、もうちょっと今の"チョイボロ"ので引っ張りますかね。

 

 

 

2008.3.20


先日、高校の同窓会があって行って来ました。
ホントは、Tと一緒に行くはずだったんですけど、「仕事が抜けられん」とかで、ワタシだけ行く羽目に。
羽目に、と言うのは、実はワタシ、あんまり気乗りしなかったからで、というのも卒業以来、約30年まったく高校とは没交渉状態。

でも、Tが行かないんなら自分も、というのも大人げないし、だいいちそんなことしたら、
「なんだ、お前、俺がいないんで怖気づいたんか」
なんて、Tに言われそうで、じゃしょうがない、行くかってワケです。


我々は、高校創立して十五期目の卒業生で、全員集めれば400人は超えるはずでしたけど、集まったのはせいぜい四十人ほど。
知った顔はいないかと探してると、
「やあ、ゴブサタァ」
と、親しげに声を掛けてくれた人がいます。ところが、ワタシのほうは、その人をとんと思い出せない。
「ああ、こちらこそ御無沙汰しちゃって…」
なんて、無難なことを言いながら、
―この人、誰?
こういうときは、ちょっと焦る。
引きつりそうな顔を、何とか笑顔で誤魔化しながら、超特急で30年前の記憶を探ってみます。
Mとも違う。Uでもない。Kでも、Aでもない。こんな人、同級生にいたか? マズイぞ、これは。


「歯医者になったんだよね?」
「うん、まあ」
そういうことを知ってるからには、ちゃんとワタシのことを覚えてて話してるに違いないのに、こっちは穴の開くほど相手の顔をみても、全然その顔と記憶とが結びつかない。初対面の人に、ちょっとなれなれしく話し掛けられてるような奇妙な感じで、でも、もちろんそんなはずはなく、運悪くこの人の記憶だけが、ストンと忘却の深い穴に落ちてるのは間違いないんです。
―さあて、困ったぞ。
そう思うと、冷や汗がタラリと出て来ます。
一番最初に、「失礼だけど、オタク、誰だっけ」って正直に聞けばよかったんだけど、知ってるフリをしちゃった以上、もう手遅れ。自力で思い出すしかありません。


「Yも歯医者になったの知ってるだろう。うちのすぐそばで開業しててさ。でも口の中見られるの恥ずかしいから、どうしようかと思ってさ」
彼は屈託のない言い方をして来ます。
「そうかぁ」
適当に相槌を打ちながら、ワタシの頭はフル回転。Yはよく知ってるんだけどなあ、肝心の目の前のこの御仁はさて…?
実際、正式に同窓会が始まれば、まず自己紹介なんてことになるんだろうけど、とてもそれまで場が持ちそうもない。
Tが一緒なら助け舟出してくれたかもしれないけど、生憎こんなときに限ってヤツはいない。


でも、誰だか分からないってのはホントに不便。
何を話題にしていいか分からないから、ただ相手の話にフンフンと頷いてみせるだけで、どうも気分が悪いし落ち着かない。こっちから積極的に話題を提供するなんてこと出来ないから、何となく盛り上がらないしバツが悪い。
そうしてるうちに、Sという、この友人は毎年年賀状に家族と一緒の写真を載せて来るので、滅多に会わないけど顔だけはよく知ってる男がやって来て、
「変わっただろう、Hは―。すぐ分かった?」
正体不明の謎男を横目に見て、Sはワタシに笑い掛けます。
「H?」
Hと言えば、クラスで一番痩せてて華奢で、どちらかといえば無口で大人しく、どこか女性っぽいイメージのある生徒だったはずです。
でも、そこにいる彼は、口ひげを生やし、当時掛けてなかったメガネを掛け、頭は禿げてないもののほとんど白髪になって、猪首で達磨のような体型。
言われてみれば、目元のあたりに当時のHを偲ばせる面影はあるものの、まるで他人。
―こりゃ分かるワケないワ。


それでも、まあ、やっとこさ正体が判明してこっちも一安心てとこですが、それにしても、昔の友人に会うっていうのは、懐かしくもある反面、エネルギーを使いますね。
思い出そうとあがいたお陰で、ワタシ、自分のエネルギーの90%をそれだけで消費しちゃいましたから、ホントに。

 

 

 

2008.1.30

 

友人のTが、北海道までスキーに行ったらしく、
「いやあ、スキーってのはオモロイでぇ」
と、土産をくれました。
高校生のときに授業の一環としてスキー教室があり、お互い長野県の霧ヶ峰に連れて行かれ、初めてスキーなるものをやったわけですが、まあ、ハッキリ行ってワタシはもう全然ダメ。
ワタシより運動神経の悪いTに至っては、もう見るも無様な醜態を晒してたはずなのに、意外や、この年になって目覚めちゃったようです。
もっとも、高校のときのは、確か一泊か二泊の短期で、しかもインストラクターがうちの体育の教師。
この先生が国体でスキーに何回も出ているという達人だったので、スキーの授業もそりゃもうキビシクて、間違っても「オモロイ」なんて言えるもんじゃない。
カニさん歩きから始まって斜面を登り、足に履いたスキーを立てて向きを変え―でもこの板の向きを変えるのが難儀で、簡単にはいかない。下手をすると、尻餅を突いた拍子にスキーの板が外れ(今の板はそんなことないんでしょうけど)、板だけ滑って降りてっちゃう。うまく向きを変えたって、ホッしてる間もなく、次には尻を蹴飛ばされて、今度は、我が身がスキーごと斜面を転がり落ちる。さすがに、ワタシもその場から逃げ出したい心境でしたね。
今回、Tがスキーをやったとすれば、おそらくそのとき以来でしょう。高校時代からの腐れ縁で三十年来付き合って来て、スキーなんて言葉はTの口から聴いたことがなかったんですから。


で、話はちょっと替わり、実は、Tから貰った土産ですが―。
なかなかユニークなものをくれたんですよ。
マリモッコリ。
北海道じゃ、ちょっとしたブームになってるという話で、一言で言えば、一種のマスコットですね。
ワタシにくれたのは、それのストラップなんだけど、表情がカワイイというか、カワイクナイというか、そのあたりがちょっとビミョーで、でも少なくとも、他にはない特異なキャラ。
全身緑色で、有名な阿寒湖のマリモをイメージしてるのはすぐ分かるんだけど、目が釣り上がってるような垂れてるような、泣いてるような笑ってるような、そのあたりが妖しいというかコケティッシュというか、何とも言えずこっちのほうこそ「オモロイ」顔をしてる。
で、さらに、ここが一番特徴なんだけど、マリモッコリの名前の通り、アソコがもっこり―。
子授け神社と言われるようなところに、よく男性のシンボルを模ったものが祭られてたりするけど、マリモッコリにもそれに似た御利益でもあるのか、形こそ露でないものの、股間がズンと出っ張ってる。

とは言え、これ、全然イヤラシクないんですけどね。


他にも、タコの塩辛なども貰ったんですが…。
「オイ、タコって英語でオクトパスって言うの知ってるか。でな、10月のことをオクトーバーっていうやろ。このオクトーバーってオクトパスの足の本数から来てるんや。つまりな、タコの足の数から10月って言葉が生まれたってわけや。どや、ひとつ利巧になったやろ」
Tはそう博識をひけらかしましたけど、でも、ちょっとマテヨ、タコって8本足じゃなかったっけ。なら、10月じゃなくて8月になっちゃうんだけど…???

 

 

2007.11.10

 

博多に行って来ました。
観光旅行じゃありませんよ。勉強会があって、そこへ出席するのが目的です。
飛行機の苦手なワタシは、どんなに時間が掛かろうとも、ひたすら陸路。空を飛ぶなんてとんでもない話で、想像しただけで意識が遠くなりそうです。
もっとも、カミサンにそう言ったら、
「だったら、却ってラッキーじゃん。気を失って、眠ってるうちに博多に着いちゃうもん」
まったく、他人事だと思って言いたいこと言ってる。
まあ、そーゆーわけで、博多まで新横浜から新幹線。「のぞみ」に乗って約五時間です。

ただ、五時間はやっぱり長い。ひとところに座ったまま、じっと五時間耐えるというのは、尻の肉の薄いワタシにとっては、さすがにキツイ。
お年寄りから生まれたばかりの赤ちゃんまで、ニューヨークだの、パリだの、ローマだの、平気で海外に飛行機で往復する時代。十時間以上も飛行機の座席にくくり付けられて当たり前の時代に、新幹線たった五時間くらい、と笑われそうですが、京都あたりまで来ると、腰も尻も膝もそこらじゅう痛くなって来ます。

「だらしないわねえ」
帰った後で、その話をしたら、またカミサンから言われましたが、五時間と言えば、たとえば、羽化して二週間程度しか生きられないセミにとっては、人間の二年分くらいに相当するわけで、こりゃやっぱり長い。

で、ふと思い出して、話を変えますが、動物の時間というは、体重の1/4乗に比例する、という説があるのをご存知でしょうか。サイズの大きい、重い動物ほど時間の経過が遅いということのようです。
中央公論から出てる「ゾウの時間、ネズミの時間」という本を読んだら、そんなことが書いてあったんですが、巻末には、更にこんな詩がありまた。

 

ゾウさんも、ネコも、ネズミも、心臓はドッキンドッキンと、二十億回打って止まる。

ウグイスも、カラス、トンビに、ツル、ダチョウ、スゥハァ スゥハァ スゥハァと、息を三億回吸って終わる。

 

おっと、待って下さいよ。
ということは、頻脈の人とか、緊張しやすくてすぐドキドキする人ってどうなんでしょう。普通の人よりも早く心臓二十億回打っちゃうわけだし、いつも、スゥハァスゥハァしてるマラソン選手なんて、三億回の息なんてあっという間という気もします。

 

と、かくいうこのワタシ。
「健康のために」と、"勘違い"して、日曜日には欠かさずプール。
〆にはいつも全力で泳ぐので、ドッキンドッキンどころか、かなりドキドキドキドキ。スゥハァスゥハァではなく、ヒィヒィハァハァで息もタエダエ。
もしかして、コレ、かなりアブナイ???

 

 


 

 

2007.9.24


ようやく涼しくなってきました。
今年の夏は、いやあホントに暑かったですね。
自宅マンションのワタシの部屋は、今時エアコンもないんですよ。
蒸し風呂というか、灼熱のアラビア砂漠というか、ともかく夜になっても暑いと言ったらない。京都の三条川原で釜茹での刑になった石川五右衛門じゃないけど、この部屋の「炎熱地獄」は我慢の限界なんてとっくに超えちゃってる。
そのせいかどうかは知りませんが、ワタシのオンボロパソコンも具合が悪くなってしまい、三日ばかり前にハードディスクを取り替えて漸く復旧。もう、ハードディスク取り替えるのも二回目なので、そろそろ新しいパソコン仕入れたほうがいいのかも知れません。
そんなワケで、夏場はちょっとコラムをお休みしてました。

 

ところで、パウンドケーキって皆さんご存知でしょうか。
甘いもの好きの方なら、男性でもよく知ってらっしゃるでしょう。
いや、今は甘いものと言わずにスイーツって言うのかな。ケーキやらプリンやらチョコレートやら、その類のお菓子というかデザートを、「甘いもの」とか「お菓子」とか「デザート」って言わずに、スイーツって言うらしいですね。

もっとも、パウンドケーキがそのスイーツの範疇に入るのかとなると、ワタシもどうか知りませんが、それはともかく、ワタシ以上にご存知ない辛党の男性諸氏のために説明しておくと、パウンドケーキっていうのは、蓋のない長細い厚紙の箱に入ったケーキ、そういうのをパン屋さんやスーパーなんかで見かけたことはありませんか。見た目はカステラみたいな感じだけど、もっとキメが荒くてこってりしていて、レーズンなんかが中に散らしてあるヤツ。クリームは乗ってないけど、モノによってはちょっと洋酒がきいてたりして、ワタシは昔からけっこう好きなんですが…。


で、この前、そのパウンドケーキを頬張ってて、ふと思ったワケですよ。
「パウンドケーキのバウンドって何のこっちゃ?」
さっそく辞書で調べてみると、「パウンド」ってのは「pound」って書いて、要するに重さのポンドのことらしいのです。
昔、プロレスが全盛のころ、試合の始まる前にリングアナウンサーが、
「赤コーナー、二百八十八ぱんどぉぉ四分の三んんん、ジャイアントォォォ馬場ァァァ」
なんて叫んでましたけど、あの「ぱうんど」ですね。
辞書によると、1ポンドは454グラムだとか。
で、パウンドケーキですが、これを作るのに、オリジナルでは、小麦粉1ポンドと、砂糖1ポンドと、バター1ポンドと、卵1ポンドを混ぜて焼くんだそうです。そうすると正しく正真正銘のパウンドケーキに―。
でもちょっと待てよ。
これでケーキ作ったら、とてつもないモノになると思いませんか。重さ約2キロ、カロリーなんてそれこそウン万カロリー。
もちろん、ワタシ、2キロも食べるはずもないですけど、一口だって相当なカロリーが…。
何せ、小麦粉はともかくバターと卵、それに砂糖がたっぷり。そういえば、パウンドケーキを食べた後は、ミョーに腹持ちが良いような気がしないでもありません。
もちろん、ワタシの食べてるのはオリジナルと組成も違ってるでしょうが、でも本場というか、あちらの人の体型を思い浮かべると、なるほどと思わず頷きたくもなってしまいます。


いや、ヘタに調べなきゃよかった。
パウンドケーキ食べるとき、これからは、いつも、カロリーが頭に引っかかりそうなんですけど…。

 


 

 

2007.7.29

 

ワタシの従妹が長野にいます。女性。歳は四十半ばくらい。
五月に親戚の披露宴があって、その従妹と数年ぶりに会ったときのこと。
「どうしたの、あれから? やっぱり、みなとみらい行ったの?」
ワタシは何気なく尋ねました。


実は、それより二ヶ月ほど前、時刻は夕食前だったので、午後の六時過ぎでしょうか、その従妹から突然自宅に電話があって、
「今、横浜にいるんだけど、どこかホテルとか旅館とか知らない?」
横浜に遊びに来て遅くなったので、一泊して帰るのだと言います。たぶん横浜の端っこに住んでるワタシなら、適当なのを教えてくれると思ったんでしょう。ところが、生憎、ワタシはそういう方面のことはとんと分からない。
「でも、まあせっかくこっち来たんなら、みなとみらいまで行ってみたら? あの辺りなら立派なホテルいっぱいあるし…」
ワタシは、随分いい加減な答え方をしました。
そんなことがあったので、ちょっと気になって聞いてみたんです。

 

「うん、泊まった。桜木町から動く歩道に乗って…」
えっ、みなとみらい線乗らなかったの、と聞くと、横浜は初めてで乗り場がよく分からなかった、と。
桜木町で下りるより、みなとみらい線使ったほうが、よほど便はいいのですが。
でも、そのときになって、ワタシ、いつも内気な従妹が一人で横浜まで来たのに気が付きました。
「珍しいね、単独行動なんて」
と言うと、辺りを憚りながら、
「違うのよ、姑とちょっとケンカしちゃってね、家出」
「ホント?」
ワタシは、ますます意外な気がして、唖然としました。

 

「でも、こっちのホテルは高いわね。二万●●千円も取られたわ」(スミマセン、●●のとこ、正確な数字忘れました)
「そりゃ、長野よりは高いだろ。二食付きだったの?」
「ううん」
「えっ、朝食のみ?」
「ううん、泊まるだけ。で、海側だともう三千円増しだって言われたから、海見えなくてもいいから、安いほうにしてくださいって言ったの」
それでも、二万●●千円。ウーン、高い! そりゃいくら何でも高すぎる。

「それに、おかしいのよ。ベッドが二つあるの。ねえ、ホテルって一つのベッドの部屋ってないの?」
自分で部屋を取ったことなんてないんでしょう、従妹はヘンな質問をします。
「いや、そんなことない。フロントで何て言ったの?」
「お部屋、空いてますかって」
「ちゃんとはっきり言わなかったから通じなかったんじゃないの?」
「そうねえ、そうかも。だって、ヨコハマは初めてだし、ホテルに一人で泊まるのも初めてだし、建物は大きくて立派だし、私は家出だし…」
なるほど。従妹の気後れした光景が目に浮かびます。
「荷物は?」
「ハンドバックだけだけど―。最初はこんな遠出するつもりじゃなかったのよ、だから…」
ワタシは、次第に分かってきたような気がしました。
「フロントの人はいくつくらい?」
「私より、ちょっと上くらいの人」
ふむふむ。で、お部屋空いてますか、って言ったら、一人なのにツインの部屋に案内された、と。

 

「たぶんね、それ、勘違いされたんだよ」
つまりね、とワタシは言いました。
ミチならぬミチに迷い込んだ、人目を憚る人妻とでも映ったんだよ。要するに不倫ってヤツ。だって、いい歳した女性が一人だけだろ。そして、気後れしたように、お部屋空いてますか、だろ。
そのベテランのフロント氏は、きっとピンと来たんだよ。この人は、そういう人なんだって。逢引の相手は、後から来るんだってね。
「ええっ? ヤダ、どうしよう」
従妹は、顔を引きつらせてます。
「だから、そういうときは堂々と言わなきゃ。シングル一部屋って」

 

しかし、勘違いではありましたけど、ワタシはちょっとプロのワザを垣間見た気もするんです。
どんなお客さんか見分け、詮索する素振りも見せず、そのお客さんの必要とする部屋を提供する。
「シングルと、ツイン、ダブル、ご家族でしたら畳みのお部屋もありますけど、どちらに…?」なんて、野暮なことは言わない。あくまでさりげなく、それでいて正解(今回は不正解でしたが)を差し出す。
まさか、これから逢引するんです、とも言えないわけですから、何も言わずにツインの部屋に案内してくれたら、当人にとってはどんなに有難いか知れません。

 

「まあ、よかったじゃない。まだそういう色気があると思われたんだから」
ワタシは笑いながら言いました。
従妹は複雑な顔をしてましたけど…。

 

 

 

 

 

 

 

 

2007.6.27

 

「ケーワイ」って言葉、皆さんご存知でしょうか。
いわゆる若者言葉なんですけど。

 

この前の日曜日、友人のTから電話があって、話のついでに言うんです。
「ところで、おまえ、ケーワイって知っと.る?」って。
もちろん、ワタシが知るはずもないので、
「はっ?  ケバイ?」
なんて、的外れなことを言うと、
「ちゃう。ケーワイや」
「ケーワイねえ。卑猥とか、贈賄、収賄だったらわかるけどな」
「ろくなこと言わんやっちゃな。アルファベットや。KにY。俺も、夕べ娘から仕入れたばっかりのホカホカのネタやで。分からんやろ。今、流行ってるらしいでぇ」

Tの娘さんは、A子ちゃんといって、今年高3だそうですが、これが親とは似ても似つかない美人。
誰を親に持つか、特に女性の場合、この問題はその人の一生を左右する、なんて誰か言ってましたけど、両親が容姿端麗なら、かなりの高確率で、その子も見目麗しき美人になることを思えば、確かに、親の容姿は、子供にとって軽視できない問題かも知れません。
そういうことを考えると、A子ちゃんは、条件的にかなりヤバかったはずなんですが…。
天の味方があったんでしょう、まさしく、とんびが鷹を生んだって奇跡的現象。
ともかく、あの父親から、よくぞここまで美しくなられた。
もちろん、Tにはもったいない、美人の奥さんの影響は大きいんでしょうけど、ワタシの独善的な見方から言えば、Tの“ブ男度”は、奥さんの「美」の影響など凌駕して余りあるものがある―。

 

ちょっと、脇に逸れちゃいましたけど、どうもそのA子ちゃんの学校で、「ケーワイ」が流行ってらしく、家に帰って、さっそく無知なTをからかった、といったところらしいのです。
でも、言い始めは誰か知りませんが、一旦流行り始めると、こういうのはあっという間に、それこそインフルエンザ的スピードで伝播していくようで、「ケーワイ」も、「もう“全国区”らいしで」とTは言います。

 

「で、なんやと思う? これな、略称なんやて。Kはカ行、Yはヤ行」
「『今日は休み』とか」
「安易な発想やな。言っとくけど、『暗い夜道』とか『危険な予感』でもないからな。ま、こりゃ俺が言って娘に叱られたんやけどな。ヒントや。『Y』は『読めない』のYや。何が読めないと思う?」

昔からそうなんですけど、こういうときTという男は、なかなか答えを明かさない。こっちがいらいらしているのを横目に見て、ふふっと笑うようなとこがある。
「漢字、読めない、か」
「残念ながら、漢字やないな」
「娘さんに言われたっちゅうことは、おまえが読めなかったんだよな」
「まあ、そういうこっちゃな」
「じゃ、カタナカ読めない、か」
「アホ、ナメとんのかぁ」
結局、読めないのは、空気。KYとは、「空気が読めない」のことなんだそうです。その場の雰囲気を察知できないで、場違いな言動をとり、周囲の密やかな反感を買う。そんな意味のようです。
そう聞くと、なるほど、確かに、Tは典型的なKY。思わず、笑っちゃいました。

 

今年はワタシにも、秋には「KY」が訪れそうです。
ワタシのKY? もちろん、巨人優勝ですよ。
頑張れ、ジャイアンツ。

 

 

 

 

 

 2007.5.19


披露宴の仲人さんの話って、どうしてあんなに退屈なんだろ、って思ったことありません?
というのも、よりによって、このゴールデンウィークに、その退屈極まりない話を聞いちゃったからですが、一生懸命なのは仲人さん本人だけで、まわりは完全にシラケドリが飛んでる。

だいたい、ヘタに新郎新婦を持ち上げようとしすぎ。

 

「新郎ツヨシ君は、○○中学から○○高校をユーシューなる成績で…」
誰も聞いてない。みんな下向いてます。

しかも、その目線の先には、きれいに盛り付けられたオードブルなんかあるものだから、『待て』をさせられてる犬みたいなもんです。
こりゃ、久しぶりのフランス料理のフルコースだぞ、なんて思いながら、ひたすら『待て』。

 

「さらには、難関大学の☆☆大学経済学部に進学し、ここでもその卓越した能力を遺憾なく発揮され…」
実は、この新郎のほうはワタシの親戚だから、いろいろ話は漏れ伝わってきたんですけど、確か、一回ダブってるはず。
ワタシの隣の席が、ちょうど新郎の妹だったので、
「お兄ちゃん、そんなに優秀だったの?」
と聞くと、
ちょっと見ない間に随分カワイクなった、その妹が、
「ぜーんぜん」
「ダブってるよね」
「三年生を2回やってる。でも、その2回目もアブなかったんですよ」
まあ、そのアブなかった2回目をクリアしたわけだから、そのあたりがユーシューってことなんだろうと、無理矢理こじつけて解釈すれば解釈できないこともないけど…。

 

「また、大学時代には野球部に所属し、ポイントゲッターとして活躍されて…」
ほう、本業はぱっとしなくても野球できたのか、と思っていると、
妹が「……?」て顔をしてる。
「どうしたの?」
「野球なんてやってたのかと思って…。だって、兄ちゃんの部屋でバットもグローブも見たことないんだけど」


後から聞いた話じゃ、野球部じゃなくて、野球“同好会”。

ポイントゲッターというのも違ってて、その野球同好会を設立するのに、人数集めに名前貸しただけだったようです。

結局、コレ、友人のスピーチで暴露されて分かったんですけど…。

 

ワタシ、これから先、もし、仲人をやってくれ、なんて頼まれてもゼェッッタイ引き受けませんからね。
だって、あんな平気な顔して「ホラ」吹くなんて、どう考えても自分には出来そうもないですから。

 

 

 

2007.4.14


桜も散り始めましたねえ。

 

毎年、今年こそ花見に行くぞ、と思いながら、ついぞ行ったことがありません。
たとえば、三渓園や上野公園みたいな、いわゆる桜の名所じゃなくても、ちょこっと足を伸ばせば、お花見スポットなんていくらでもあるのに、休みと言えば、ボーッしてるか、せっせと泳いでるか、カミサンの掃除の手伝いか、せいぜいそんなとこで、行動半径が狭いうえに、不精なワタシは、花見と言ってもほとんど口だけ…。

 

でも、もう大分古い話だけど、五年くらい前、珍しく出かけたことがあります。

場所は海老名の、清水寺公園というトコ。
何でその場所か、と言えば、たまたま地図に桜の印が付いていて、「へえ、ここにも桜があるんだ」って具合で…。
海老名じゃ有名なところだったようなんですが、ゴメンナサイ、ワタシ知りませんでした。
ただ、花見客でごった返すような名所より、なんとなく、そのあたりほうが空いてる感じがしたんです。

 

当時、ワタシはカメラに凝ってて、と言っても、撮るほうではなく作るほうですが。
シャッター付きのレンズだけ買って、暗箱は自分で作るんですよ。その1号機が出来上がって、いろいろ撮りたい気持ちに駆られてた時期でした。

 

いやあ、でも、写真ってホンットにムズカシーですね。

 

以前に、やはりカメラが趣味って知り合いと話したことがあるんですよ。

「あんたさあ、桜がきれいに撮れりゃプロになれるよ」
横浜の○○○カメラの家電売り場で、隣り合って電気マッサージ機に揉まれながら、彼は言います。
「だって、桜の咲くころって花曇りの日が多いだろ。桜が薄いピンク、背景が薄曇りで白。白地にピンクってわけで、コントラストがないんだわ。やたら撮って、出来上がった写真見ても、インパクトゼロね」
「ちゅうことは、快晴の日の青空を待って出かけにゃダメなんだ」
「そこがまたアマい。素人さんは、単純で困るナァ」
「そう?」
「快晴だと、今度は背景が鮮やか過ぎるんだ。つまりさ、枝が幾重にもなってるじゃん。花も重なりあってるじゃん。そういうとこが、光透さないからさ、カゲっちゃうんだよ。背景が鮮やかな分、今度はそこがどす黒く見える。これが写真見てて、ヒジョーにバッチイ」

 

あっと、話はここで突然変わりますが、ワタシ、そのとき、N社製の、「○み○み」というのに身を沈めてたんですが、コレ、ちょっと痛かったです。
夏目漱石の「坊ちゃん」で、松山の学校に赴任した主人公の先生がする授業に、ある生徒が、
「あまり早くて分からんけれ、もちっと、ゆるゆるやっておくれんかな、もし」と 文句を言う場面があるけど、
ワタシも、○み○みに、「もちっと、ゆるゆる揉んでおくれんかな、もし」と言いたかったです。


そんなんで、知り合いが言うことも、ちょっと聞き流し気味に聞いてたんですけど、
このときの花見の写真、彼の言うとおり、ゼンゼン、ぱっとしない。

せっかく、中古で良いレンズ買って、フィルムも色鮮やかさが売り物のポジフイルムにしたけど、ゼーンゼンダメ。
10cm×12cmの、デカいフイルムを装填して撮ったのに、とほほな写真になっちゃった。

 

また撮りたい、とは思ってるんですよ。
そのときのリベンジ。
桜が終わっちゃったので、今度は夏のひまわりでも、と…。

いや、今度は口先だけじゃないですよ。
出来が良かったら、御目に掛けますね。

 

 

 

 

 

2007.3.21

鼻がムズムズしませんか。
目がショボショボ・カイカイになりませんか。

 

年が明けたと思ったら、もう三月も半ばを過ぎて、今日は彼岸のお中日。
早いですねえ、ホント、光陰矢の如し。
いや、もしかすると、矢どころじゃなく、音速・マッハの世界かも。
つい、この前、正月休みで雑煮を食べてたと思ったら、成人の日があり、節分、建国記念日、バレンタインデー、雛祭り、……。

最近じゃ、カレンダー見るのが追い付かなくなり、その日を過ぎてから、
「あっ、昨日、ホワイトデーだった」
なんて、慌てたり…。
実は、これカミさんから催促されて、思い出したわけですが、
「アータの、ツゴーの悪いことはみんな忘れるってのは、特技ね」
なんて、怒られてるのか褒められてるのか、何とも分からないことを言われました。

 

まったく、ムズムズ・ショボショボも、出来れば、こっちの忘れてるうちに通り過ぎてくれれば、と思うんですが、カミさんと同じで、コイツも、毎年この時期になるとちゃんとその存在を通告してくる。

ワタシが花粉症になったのは、30歳頃ですが、一旦なっちゃうと治らないってのが、どうにも厄介なところですな。

 

思えば、三十年以上も前、中学生の頃、友人に目を真っ赤にしてるヤツがいて、ワタシ、いつもその友人と放課後帰ってきたんですが、当時はまだ「花粉症」なる言葉もなく、もちろん、花粉症という症候も、わかっていたのかいなかったのか、もしかすると、専門家の間でも、季節の変わり目の一症状くらいにしか認識してなかったんじゃないでしょうか。ともかく、友人のその真っ赤な目を見て、
「お前、昨日、徹夜か」
なんて、聞いたのを覚えてます。
「違うんだよ」
友人が言うと、
「だって、目ぇ真っ赤じゃねえか。もうテスト勉強してんのかよ。抜け駆けはよくねえなあ」

当時は、“花粉症人口”も、今よりずっと少なかったはずで、ポプュラーじゃないぶんだけ、花粉症の人は、だいぶワリを食ったんじゃないかと思います。
今じゃ、花粉症も“市民権”を得たので、まわりの人たちにわかってもらえるようになりましたが、それでも、この時期だけは、マッハの音速なんかより、もっとずっと速く通り過ぎてしまいたいですな。
だって、ホント、鬱陶しいんだから。
花粉症の落ち着く、ゴールデンウィークあたりに一目散にワープしたい。
今は、ワタシ、そんな気分なんですけど…。

 

 

 

 

2007.2.12

 

暖冬です。
凍えるような寒さっていうのが今年はありません。
暖かいものだから、食べ物屋さん・飲み屋さんでも、お客さんから鍋物の注文がないとか。
今日は、体格のいいオジサンがTシャツ一枚で犬を散歩させてました。

 

そりゃ陽気もいいけど、それより自前の皮下脂肪が厚いから、ちょっとくらい寒くても応えないのよ。
もし、その人の奥さんが、口が悪かったら、そんなこと言うかもしれませんが、でも確かに太っている人って、暖冬を割り引いても、暑がりな人が多い。

 

ワタシの友人のTも、赴任先の大阪でうまいものをたっぷり食べたせいか、学生時代からは想像も付かない、メタボなオトーサンに変身。
で、先日会ったとき、そのTが
「おまえ、フォアグラって食ったことあるか」
って聞くんです。
「あるよ、披露宴で食ったことある」
フォアグラって言えば、ご承知のように、キャビアやトリュフと並んで、世界三大珍味の一つ。
ガチョウに、むりやり餌を食べさせて、まるまる太らせる。内臓脂肪がたっぷり付く。心臓にも、腎臓にも、そして肝臓にも。その脂肪を吸収した肝臓を取り出したのが、フォアグラってわけですが、動物愛護団体から大分批判されたことがあると聞いています。


「俺の肝臓、いま、そのフォアグラなんだよね」
Tはそう言いながら、はあ〜っとため息ついてます。
「この前、会社の検診で掛かっちゃって…。いま、医者からアルコール止められてんねん」
「つまり、脂肪肝になっちゃったってわけだ」
「そういうこと」
「そりゃお気の毒に」
Tの「はあ〜」が、自分のからだを憂いての「はあ〜」じゃなくて、お酒が飲めないための「はあ〜」なのは、ワタシ、長い付き合いで十分分かってます。
それほど、酒好き。
「でも、お前さんのフォアグラなんて、間違っても食いたかないね。披露宴で出たのも、ミョーに油っぽかったもんな」
すると、Tはにやりと笑って、
「おまえ、分かってへんねん。ホンモンはうまいでぇ」
「そうかな、だってさ、キャビアなんかもしょっぱかったし…」
「どこのキャビアや」
「貰いもんの缶詰」
「ンなもん食ってるからや」
Tによれば、仕事でフランスに行ったとき食べたフォアグラは、全然油っぽくなかったといいます。
「キャビアだって、ホンモンはうまいんちゃうかぁ」

そんなもんかなあ。
でも、食通のTからそう聞くと、世界三大珍味は、やっぱりうまいのかも知れません。

 

で、ここでちょっと話変えちゃいますが―、ワタシ、「世界三大…」で、ふと思ったんですけど、世界三大美女、あれもやっぱり、その名の通り、みんな美人だったんでしょうか。

いや、それ以前に、世界三大美女が、クレオパトラと楊貴妃と小野小町っていうのは、国際的に認められてることなんでしょうか。

 

三大珍味が、キャビアとトリュフとフォアグラっていうのは、多分世界共通でしょうけど、三大美女に、小野小町という日本人が入ってくるとなると―。
クレオパトラと楊貴妃は、間違いなく、歴史的に、かなり名の知れた人物だと思うんですよ。

でも、小野小町?
日本ではたしかに知られてますが、世界的にそんな有名人なのかなあ。


六歌仙の屏風とか、絵で見る小野小町は、しょっぱいキャビアみたいに、それほど魅力あるとは言えませんけどねえ。

皆さんはどう思います?

 

 

 

 

2007.1.24

 

ショック、ショックですぅぅぅ。
ご存知、納豆のことですよ。
「あるある大事典」の納豆ダイエットの話は、全部デタラメだったというアレ。

 

ワタシもびっくりしたんですけど、本当にショックを受けちゃったのは、うちの愚妻、カミサンです。
“万年妊娠6ヶ月体型”を脱却すべく、ようやく意を決してダイエットに取り組んだら、デタラメだったというわけ。

「これは、詐欺よ。振り込め詐欺とおんなじ犯罪よ」
と、怒り心頭です。
だいたい、納豆食べるだけで2週間に4キロも痩せるなんて、今だからありえないって言っちゃえるけど、なにせ天下の「あるある大事典」が言ったことですからね。カミサンでなくたって信じちゃう。

 

そーゆーわけで、あの放送以来、我が家の食卓には、欠かさず納豆が出て来る。

最近じゃ普段買わないような、いかにも高級そうなパッケージの納豆が、食卓の真ん中に堂々と、そこにあるのがまるで当たり前のように鎮座するようになって来てました。
「これ、いつもの倍するの」
もちろん値段のことです。
「ほう、そりゃうまそうだな」
「ううん、そんなことより、効きそうな気がしない? だって、高いほうが成分が濃いんじゃないかしら」
こりゃ、カミサン、チョー本気でダイエットする気だと思いましたね。
「納豆はねえ、左に3回こねるように回して、そのあと右に2回まわすんだって。それから、なるべく糸を長く引くように、高〜くすくい上げるといいらしいわよ。アータもそうしてみたら?」
「ハイハイ」

かくして、ワタシは、右へ3回、左に2回まわして、高〜くすくった納豆をご飯に乗せることになったんですが、
「でも、これで痩せるかなあ」
実は、ワタシ、学生のころ、納豆はホントによく食べてたんですよ。料理の手間はいらないし、栄養価は高いし、なんと言っても安い。高級なのを買ったって、タカは知れてます。そんなわけで、結構食べたけど痩せた記憶はないなあ。

そう言うと、
「そりゃ、気構えが違うのよ。痩せようと思ってやるのと、そうじゃないのと、意志力の差ね」
カミサンは、そんなことを言いながら、早速意気揚々と頬張ってます。

 

それが、こんなムナシ〜ことになっちゃうとは…。

 

ただ、本音を言うと、ワタシ、ほっとした面も無きにしもあらずなんです。

実は、ちょっと飽きてきたとこだったんです、納豆に。
だって、食事と言えば、いつも出てくるんですから。
たまには、タクアンとかほうれん草のオヒタシとか、そういったのが欲しくなるじゃありませんか。
あんまり、一つの食べ物ばっかりがハバをきかせてもねえ。そう思いませんか。

 

 


 

2007.1.1

 

新しい年が明けました。

 

正月は、冥土の旅の一里塚、めでたくもあり、めでたくもなし。

 

一休さんが詠んだそうですが、「数え年」で歳を数えてた時代、正月を迎えると、みんな一斉に一つ歳をとるところから、そう詠まれたなんて言われてるようです。

0才という歳がなく、生まれるとすぐ1才、年が明けると2才。
だから、大晦日に生まれた赤ちゃんは、大晦日が1才で、翌元旦には2才。
たった2日で2才になっちゃう。

 

ワタシも小さいころ、お正月に祖母のところに遊びにいくと、お年玉を貰いながら、よく祖母から、
「あんた、いくつになった?」
と、聞かれて、10才だよ、なんて答えると、
「じゃ、数えで12か」
と、すぐ「数え年」に直してましたが、明治生まれの祖母には、そっちのほうがピンと来てたようです。

 

もう、あの頃がはるか遠くになって、いつの間にやらワタシも歳をとり、正月が「一里塚」になって来ましたけど、このホームページは、昨年立ち上げたばかりで、まだ2年目。
「数え」じゃ2才です。

ことしも、ほかはチョー真面目に、このコラムの欄だけは、思いっきりクダケテやってきたいと思います。
本年もよろしくお願いします。

 

 

 

 

 

 

2006.11.29

 

 杜仲茶は痩せる―。


以前、杜仲茶のことを書きましたけど、ワタシ、あれからずっと杜仲茶を飲み続けて、なんと、5キロ痩せました。
いやあ、こりゃ、効くワ!!
でもね、ワタシ、それほど痩せたいと思ってたわけじゃないんですよ。たまたま健康にいいって話を聞いたもんだから、それじゃってワケで飲み始めたんですけど、思った以上の効果。


週一で泳いでもいるし、この「スイミング+杜仲茶」が効果的なのかも。
とにかく、水泳するとやったら喉が渇く。家に帰って、杜仲茶をがぶがぶ飲む。この前なんか、二リットルくらい一気に飲んじゃったもんね。
泳いだ後だけじゃないですよ。ご飯のときも、風呂から上がった後も、ちょっと一杯。トータルすると、一日に結構な量を飲んでる。
ただね、最近はちょっとコワイ。どこまで痩せちまうんだ?
ってね。


そうでしょ、だって、そんなに痩せる気なかったんですよ、それがある日体重計乗ったら、エラク減ってる。その後も減り続けて、計5キロ。もういいよ、って感じ。そういうふうに近頃はなってきてる。
そういうわけで、今はちょいと杜仲茶は控えめに。


ところで、トチュウと言えば、いきなり話は変わりますけど、診療を終わって帰宅する途中、塾帰りの小学生を見かけました。
大抵のご家庭では、もうとっくに夕飯も済ませてしまってる時刻。おなかもすいてるだろうに、と思いながら見てると、電車の中で彼らがやってるのはゲーム。
四人ほどだったか、それがみんな一台ずつゲーム機持って、熱心にやってるんです。その中の一人の子なんて、明らかに運動不足という体格で、しかも、男の子なのにタラーリと垂らした前髪が、まばたきするたびにマツゲに引っ掛かるのか、時折ひくひくと、おでこの辺りの髪が上下運動してます。


―オ〜イ、プール行って杜仲茶飲めよ。さもなきゃ、床屋に行って、そこの毛切って来いよ。
思わず、そう、言いたくなります。
まあ、中学受験も迫ってきてますから、プールなんてのんびりしたことは言ってられないのかもしれませんが…。
でも、その前髪はイタダケませんねえ。
と、そう思ってたら、ワタシ、唐突に一句浮かびました。


すずめの子、そこのけ、そこのけ、お馬が通る、をモジって、
厚めの子、そこの毛、そこの毛、お目目に入る。

 

 


 

2006.11.12

  

日曜日というと、みなさん、どう過ごしてますか。
ワタシは、近くのプールで泳ぐのが日課。
大抵、朝一時間ばかり泳いで、帰宅してからブランチってパターンですが、いやあ、今日のプールはタイヘンでした。
というのも―、それでは、以下、物語風にどうぞ。

 

ワタシがいつものように泳いでいると、背後に気配を感じる。
何じゃいな?
すると、犯人は二十歳くらいの若い男の子。背はそう高くないけど、なかなかのイケメン。
この「若様」が、ワタシのすぐ後ろを、間隔を開けずに付いて来てる。25m泳いで立ち上がり、後ろを見ればこの「若様」がピタッと、まるで磁石のように張り付いてる。

 

―これって、煽ってるってことか。


何回も繰り返されれば、鈍なワタシも、さすがに気づく。
車に乗ってて煽られたことはあるが、泳ぎじゃ初めてだ。
思わず、にやりと笑う。


―アジなことしてくれるじゃないか。


だいたい、ワタシにガンくれるなんぞ十年早いわ。
怖いもの知らずの若様くん、若気のイタリとは言え、ワタシを向こうに回すとはいい度胸だ。
よしよし、目にもの見せてくれよう。水泳暦12年のキャリアが、どれほどのモノか、たっぷり拝ましてやろう。

 

思いっきり水中でからだを伸ばし、腕掻き最高回転、バタ足全速力。
向こう岸に着き、どの程度引き離してやったか確かめるつもりで振り返ると、なんちゅうこった、さっきより間近に若様がいるじゃないか、しかも平然と。

 

―オカシー。こんなはずじゃない。

 

で、結局もう一度試してみるんだけど、結果は同じ。

 

―まさか。

ちょっと青ざめる。
若い体力は凄まじい。
さっき、若気のイタリと笑ったのは大きな間違いで、現実は年寄りの冷や水だったんだろうか。
考えてみれば、ワタシも四十半ばを過ぎてる。
華麗に泳いでいるつもりが、カレイはカレイでも、「加える」に「齢」の加齢だったのかも。
思わず、鼻をひくひくさせる。まさか、自分のからだから加齢臭なんてしてないだろうな。
ああ、いかん、いかん、弱気になってる。これじゃいけない。

 

でも、一ヶ月くらいまえ、ワタシがクロールで気持ちよく泳いでいると、隣のレーンに背泳でワタシを抜かしていく女性がいた。あまりの速さに、こりゃ、オリンピック強化選手だと思ったけど、向こう岸に着いて隣を見たら、アリャリャ、ワタシよりずいぶん年上のオバサマだった。
それより前には、やっぱり隣のレーンを、ビート版にバタ足で抜いてくニイサンがいた。イアンソープがお忍びで基礎練習してるのかと思ったら、何のことはない、今度はフツーの小学生だった。
おかしいゾ、と、ふと自分のクロールに疑問を持ったけど…。
おっといけない。こんなときに、イヤなことを思い出してしまった。
自信を持たねば…。
ワタシのクロールは、車で言えば、高速道路を流れるように走るロールスロイス。登坂車線を行く、荷物満載のノロノロの軽トラであるはずがない。

―よし。
からだに力をみなぎらせる。
バウーン、バウーン、ターポ全開120%。
―行くぞ〜。
またも全力で泳ぐ25m。
だ、だが、腕が重い。やたら岸が遠い。進んでないの自分でも分かる。
―バテてる。
ようやく向こうに辿り着いてみると、ヒィヒィ、ハアハア。心臓バクバク。
でも、顔だけは何でもないというふうに、それとなく振り返ると、そこには、やっぱり、とっくに泳ぎ終わってるといった感じの若様が、すぐ後ろに立ってる。

―ヒェー、マズイ。

しかし、さんざん“逃げ切り”を試しといて、今更、お先にどうぞ、とは意地でも言えない。
とすれば、自分が先に行くしかない。
そして、またまた全力の25m。キツイのを通り越して、もう死にそうだ。
溺れずに向こうに着いたのが、奇跡に近い。

 

かくして、地獄と化したプールに、もがくこと約十分。
ふと気が付くと若様がいない。
ようし、やったぞ。ブッちぎってやった。口を開け、大きくあえぎながら、目を遠くに移す―、と、
ン? ちょっと待てよ。
プールのいちばん端のレーンで、カッコよくバタフライで泳いでいる若者。間違いなく若様だ。

 

―はぁ〜。何だよ、まったく。
力が抜けた。
もう家帰って、ご飯食べて寝よ。

 

で、そそくさとプールを後にしたわけでありますが、これを書いてる今、早くも肩といわず、足と言わず、全身が筋肉痛。

つまらない意地は張らないことですネ。

 

 

 

 

 

2006.10.29

 

 

吸盤は好きですか。
と、いきなり珍妙な問い掛けですが、実は、ワタシ、何を隠そう、吸盤てものが大好き。
と言っても、食べ物の話で、お風呂の壁にピタッと貼り付けてタオルを引っ掛ける、あのゴム製の吸盤じゃありませんぞ。
ワタシの言うのは、魚屋さんのほう。
つまり、イカ、タコの類ね。
生の刺身でも、焼いたのでも、大の好物です。


まあ、ですから、ちゃんとした言い方をすれば、吸盤そのものが好きというより、好物のイカやタコが、たまたま吸盤を持つ生物だったというだけなんですが、そんな話を友人にしたら、

「じゃ、お前、すし屋行っても安くて良いじゃん」
「何で?」
「イカのゲソなら、回転寿司で百円であるぜ」
「まあね」

確かにワタシのよく行く「ビ○○○寿司」じゃ、ゲソ一皿百円也。
でもねえ、ゲソばっかり食べてたら胃に悪い。というか、いくら好きでも一番安いお皿だけ10皿重ねるわけにもいかない(ワタシ、大抵いつも10皿完食してオアイソ)。

すると、また友人が、
「俺なんか、コーキュー志向だからさ、イカなんて滅多に食わないね」
「ほう。イカ嫌いか?」
「だってさ、イカを丁寧に言ってみな」
「……?」
「たとえばさ、お前、人を呼ぶとき呼び捨てにゃしないだろ。なんて呼ぶ?」
「タローちゃん」
「ちゃんじゃなくて」
「タローくん」
「くんでもない」
「タローさん」
「よし、近くなって来た。手紙の宛名に何て付ける?」
「タローさま」
「そうそう。だから、イカだと?」
「イカサマ」
「な。だからさ、あんまりああいうのを好きになっちゃいけないんだよ。ペテンやイカサマに引っかかるぜ」

でも、好物は今更止められません。
スーパーやデパートで北海道展なんてやってると、必ず立ち寄って、イカのうまいのないかな、って探してます。

そう、この前、その北海道展でイカのわさび漬け買いましたけど、うまかったですよ。


 

 

2006.10.14

 

性懲りもなく、と言わないでください。
ほとんどビョーキ。ええ、そうかもしれません。
でも、ちょっとだけ許してくださいね。

 

というわけで、ダジャレ小説、第二弾です。
前回同様、これから先は、オヒマな方だけ読んでくださいね。で、ないと頭に来ちゃいますから。

 

題は「魚影」です。
では、オヒマな方、どうぞ。

 

「こりゃ、でけえぞ」
船長はゴキゲンだ。
自慢の魚群探知機。
一週間前に仕入れたばかりの、最新式の機械だ。
[Gyo−A]という名前が、いかにも魚影をたくさん見つけてくれそうで、気に入って買ったシロモノ。

 

船の舵をとりながら、船長はその[Gyo−A]のモニターをさっきからちらちらと見ている。
「絶対、ハンパじゃねえ」
“魚群”探知機と言いながら、いまモニターに映し出された魚の影は、たった一匹だけ。でも、その一匹の影がとてつもなく大きい。

 

「幻のマグロだぜ、間違いねえ」
船長の目がキラリと光る。

 

この辺の海域では、たまに、想像を絶するような巨大マグロが現れる。漁師の間で、幻のマグロと言ってるヤツだ。
二年ばかり前、仲間のタイチがうまいこと釣り上げ、おかげで、タイチは、豪華な家を新築した。マグロ御殿、みんなそう呼んでる。

 

「あのタイチさんのより、デカそうですね」
若いコージが言う。
「ああ。このデカさなら、御殿どころじゃねえぞ。城だ。ドカンと城が建つぞ」
まだ獲ってもいないのに、船長の声は、早くも愉悦に酔っている。

 

マグロシロだ。いや、マグロシロじゃ語呂が悪いな。マグロ―? そうだ、城って英語で何てったかな。
船長はニタニタしながら顎に手をやる。

城、城…?
タトゥ? いや、ありゃ入れ墨だ。
コトーは医者だし、ヨトーなら自民党だ。

「船長、シャトーですよ」
コージが言う。
「おお、そうだ、シャトーだ。マグロシャトー、いいじゃねえか、マグロシャトー」
船長は、何にでも博学なコージを頼もしく見る。

 

「魚影接近、魚影接近」
[Gyo−A]が警告を発した。
いつもは無機的な機械の声も、今日は心地よく耳に響く。
「あいよ、いよいよだな。さあ、獲ったるでぇ」
船は、速度を上げて、距離を詰めていく。

 

と、前のほうの海面に、にょきっと出たものがある。
銀色をした、ヨットの帆のような三角。
それが、波を切って進んでいる。

ちょっと待てよ。
嫌な予感が胸に走る。

 

「せ、船長、マグロじゃないかも」
コージが怯えた声を出す。
「てことは?」
「サメですよ。それも、とびきりデカイ…」
「サメ?」
「わぁぁ、ジョ、ジョ、ジョーズですよぉ」
船長は慌てて舵を切ろうとする。
だが、遅かった。
ジョーズは機敏にからだを回転させると、船の前に立ちはだかった。
ビルのような黒い巨体が、視界いっぱいに広がる。
「あわわわわわわわ」
声にならない二人を見て、ジョーズはニヤリとする。

このあたりで、そろそろ三時のオヤツにしようかという笑い。

汗臭い男二人。

あんまり、オイシクなさそうだけど、腹の足しにはなるだろう。

 

ジョーズは、笑いを引っ込めると、ジロリと二人を見下ろす。

顎が開いた。
まるで、噴火口のように大きな口が全開になる。
噴火口は、そのまま覆いかぶさるように二人の頭上に迫った。

 

ヤバイ!!

 

「ヒェ〜ッ」
まず、コージが悲鳴を上げた。しかし、こんなときでも、[Gyo−A]は叫び続ける。
「魚影、魚影、魚影…」
ジョーズがかまわず襲い掛かる。
船長もついに叫んだ。
「ギョエェェェ〜!」
                                                                                             おわり


以上、「魚影」でした。

感動して頂けましたでしょうか。もちろん、しませんよね、ハイ。

 

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